移転価格コンサルタントとして働く公認会計士の日常

公認会計士、税理士。現在Big4系税理士法人でマネージャーとして勤務。

移転価格

インドにおけるBEPS対応(マスターファイル)

インドにおけるマスターファイル提出義務 2017年10月6日にインドの税務当局からマスターファイル提出に関する衝撃的なルールが公表されましたので記載しておきます。 日本では、連結グループ収入が1,000億円未満の企業グループについては提供義務が免除され…

インドネシア税制改正について

インドネシア税制改正 BEPS行動計画13を受けてインドネシアでは各国に先駆けて税制改正を行い、2016年12月30日に内容が公表されました。 税制改正の内容は、マスターファイルとローカルファイルを課税年度終了後4カ月以内にインドネシア語もしくは英語で作…

移転価格税制について③

無形資産取引 移転価格が問題になる無形資産取引について記述します。 無形資産取引が問題になるのは特にOut-Out取引となります。 Out-Out取引とは、例えば日本親会社(A社)、シンガポール子会社(B社)、中国子会社(C社)を有する企業グループを想定するとB社、…

移転価格税制について②

役務提供取引 移転価格が問題になるのは以前の記事で説明した棚卸資産取引に限りません。 主に移転価格が問題になるのは以下の3つの取引です。 ①棚卸資産取引 ②役務提供取引(IGS) ③無形資産取引(Royalty) (資金貸借取引もありますが上記3取引と比較すると…

移転価格税制について①

移転価格税制の概要 移転価格に関して書かれた参考書は書店に行けばありますが、全く馴染みのない方が簡単に理解できるような参考書は見たことがありません。 そこで、できるだけ簡単に移転価格税制の説明をさせていただきます。 棚卸資産取引 移転価格とは…

BEPSについて④ (ローカルファイル)

BEPS行動計画13で作成が求められている3つの書類のうち最後のローカルファイルについて解説します。 ローカルファイルは3つの書類のうち最もボリュームが多いため、早めの準備をお勧めします。 全事業年度に一の国外関連者との間で行った国外関連取引の合…

BEPSについて③ (事業概況報告事項:マスターファイル)

本記事ではBEPS行動計画13で求められている3つの書類のうち事業概況報告事項(マスターファイル)について解説します。 事業概況報告事項とは、多国籍企業グループの組織構造、事業の概要、財務状況等のグローバルな事業活動の全体像について記載した書類です…

BEPSについて② (国別報告事項:CbCR)

BEPS行動計画13で求められている3つの書類のうち国別報告事項について解説します。 国別報告事項とは、多国籍企業グループの国別の活動状況に関する情報のことです。英語では、Country-by-Country Report と言い、CbCRと略されることもあります。報告様式は…

BEPSについて

BEPSとは BEPSとは「Base Erosion and Profit Shifting」の略で、日本語では「税源浸食と利益移転」と訳されています。 BEPSは以下の行動1から行動15の15のアクションプランから構成されています。 行動計画1:電子経済の課税上の課題への対処 電子商取引等…