移転価格コンサルタントとして働く公認会計士の日常

公認会計士、税理士。現在Big4系税理士法人でマネージャーとして勤務。

公認会計士試験の学習方法(企業法)

企業法の学習

 

私が企業法の学習に当たって心がけていたことを書きます。他の理論科目と重複している項目もありますが、これがすべてです。

①六法を常に引く癖をつけて条文の場所を体で覚える。

②テキストや答練の回答例をすべて覚えるのではなく骨子で覚えて流れを理解する。(理論展開を理解する。)

③②の骨子を活かして自分の言葉で答案を書くように心掛ける。

④これは短答対策のみですが、テキストや六法、短答の答練を使用して80%程度の精度で暗記する。(論文では暗記は最低限にしてください)

⑤企業法を好きになる(何でもそうですが苦手意識があると得意にはなりません)

 

1年目の学習方法

 

私は会計士試験1年目は企業法が一番の苦手科目でした。それが最終的には1番か2番の得意科目になりました。ですので、自分で言うのも変ですが企業法のアドバイスが一番有用ではないかと思います。

1年目の学習に当たっては短答向けの暗記とテキスト、答練を丸暗記することに注力していました。今考えると馬鹿なことをしていたと思いますが、そもそも企業法をあまり好きになれなかったので暗記以外の学習方法を思いつきませんでした。予備校から暗記暗記と口を酸っぱくして言われていたので、条文も大してひかずに丸暗記していました。

暗記していれば解ける短答についてはコンスタントに8割くらい取れていました。ただ、論文では丸暗記なので論理展開のうえで重要な文章が抜けていたり散々でした。もちろん、論文式本試験でも歯が立たず空欄だらけの状態でした。

そこで、企業法が得意な先輩に相談し、思い切って暗記するのをやめることにしました。これは短答式試験をパスできたからというのもありますので、短答式試験通過のためには暗記が必要です。

 

2年間の学習方法

 

次に2年目の学習について書きます。

2年目は論文対策に特化していましたのでバインダーにルーズリーフを大量にはさんで、上に答練やテキストの問題を切って貼っていました。それぞれの問題について模範解答を参考に論理展開で重要な骨子をできる限り簡潔にフローチャートにして書いていました。また、その際に出てきた条文はその都度全て引いて蛍光ペンでマークして付箋を貼っていました。

最終的にはポケット六法が付箋だらけになっていましたので、付箋だらけの六法と手製のバインダーは私の企業法に対する自信の源になりました。

フローチャートを書くことのメリットは最低限のキーワードをピックアップしてつなげる必要があるので、じっくり考える必要があることです。じっくりどこが論理展開上重要であるかを考えることによって理解が促進されます。

それを様々な論点で行い、何度も反復チェックしましたので、半年後には自分の言葉で答練の解答を書くことができるようになりました。自分の言葉で書けるようになるとすらすらボールペンで書けるので気持ちいいですよ。頭からどんどんアイデアがわいてきます。答練暗記型だと頑張っても答練の模範解答の8割程度の精度にしかなりませんからね。

私が企業法を好きになったのは企業法の解答を作成するうえでの流れが理解できたこと、自分の言葉で答練を解答できるようになったことです。

あと、弥永真生先生の書かれたリーガルマインド会社法は理解の促進につながるのでお勧めです。この本も企業法を好きになるのに貢献してくれました。