BEPSについて
BEPSとは
BEPSとは「Base Erosion and Profit Shifting」の略で、日本語では「税源浸食と利益移転」と訳されています。
BEPSは以下の行動1から行動15の15のアクションプランから構成されています。
行動計画1:電子経済の課税上の課題への対処
電子商取引等の電子経済に対する直接税・間接税の課税上の課題への対応を検討
行動計画2:ハイブリッド・ミスマッチ取極めの効果の無効化
金融商品や事業体に関する複数国間における税務上の取扱いの差異(ハイブリッド・ミスマッチ)の効果を無効化するため、国内法上・租税条約上の措置を検討
行動計画3:外国子会社合算税制の強化
軽課税国等に設立された外国子会社を使ったBEPSを有効に防止するため、適切な外国子会社合算税制を設計
行動計画4:利子控除制限ルール
相対的に税負担の軽い国外関連会社に過大に支払われた利子について損金算入を制限するルールを検討
行動計画5:有害税制への対抗
各国優遇税制の有害性を経済活動の実質性から判定するための新基準及び制度の透明性を高めるための新基準を検討
行動計画6:租税条約の濫用防止
条約漁り(第三国の居住者が不当に条約の特典を得ようとする行為)をはじめとした租税条約の濫用を防止するため、OECDモデル租税条約の改定及び国内法の設計を検討
行動計画7:恒久的施設(PE)認定の人為的回避の防止
PE認定の人為的な回避に対処するためOECDモデル租税条約のPEの定義について修正を検討
行動計画8:適正な移転価格の算定が困難である無形資産を用いたBEPSへの対応策
行動計画9:グループ内企業に対するリスクの移転、過度な資本の配分等によって生じるBEPSの防止策
行動計画10:その他移転価格算定手法の明確化やBEPSへの対応策
行動計画11:BEPSの規模・経済的効果の分析方法の策定
BEPSによる法人税収の逸失規模について、データの評価・指標の抽出・分析方法の策定を実施
行動計画12:義務的開示制度
プロモーター及び利用者が租税回避スキームを税務当局に報告する制度(義務的開示制度)を検討
行動計画13:多国籍企業の企業情報の文書化
共通様式に基づいた多国籍企業情報の報告制度を検討
行動計画14:相互協議の効果的実施
租税条約に関連する紛争を解決するためのより実効的な相互協議手続を検討
行動計画15:多数国間協定の策定
世界で約3,000本以上ある二国間租税条約にBEPS対抗措置を効率的に反映させるための多数国間協定を検討
上記の中でも特に行動13「多国籍企業の企業情報の文書化(移転価格の文書化)」が今年の移転価格の世界での大きなトピックです。
行動13「多国籍企業の企業情報の文書化(移転価格の文書化)」
行動13では一定の条件を満たす企業に対し、以下の3つの書類を作成することを求めています。
・事業概況報告事項(マスターファイル)
・国別報告事項(CbCR: Country by Country File)
・ローカルファイル
各書類の詳細については別記事に記載します。
クライアントのご担当者にとっては通常業務にプラスして移転価格文書の作成を行わなければならないため、非常に負荷の高い作業です。
弊法人にとっては大きなビジネスチャンスですので、クライアント様を全力でサポートさせていただいております。