移転価格コンサルタントとして働く公認会計士の日常

公認会計士、税理士。現在Big4系税理士法人でマネージャーとして勤務。

公認会計士試験の学習方法(財務諸表論)

財務諸表論の学習方法

 

私が財務諸表論の学習で心がけていたのは、

①暗記はできるだけしない

②答案を丸暗記するのではなく自分の言葉で書けるようにする

③簿記の仕訳と関連付けて理解する

 の3点です。

 

①については以前にも記載しましたが、会計士試験の範囲は膨大ですし、毎年会計基準の改正があります。それをすべて暗記するのはほぼ不可能だと思います。もちろん、短答式試験を通過するためには暗記するのが手っ取り早いと思います。

ただ、論文式通過まで見据えて考えると少し問題をひねられると暗記式の勉強では歯が立ちません。そこで、私は理論科目の勉強では徹底した理解につなげるために基本書を読んでいました。 基本書はボリュームが多く、時間がかかるためまずは試験委員の著書を読むのがお勧めです。(経営学の勉強では特に試験委員対策が重要です)

試験委員の著書以外だと、田中弘先生の本がわかりやすくてお勧めです。

 

②については①とほとんど同じですが、徹底的に理解を意識した勉強をすることで、普段の答練の点数は下がります。それは自分の言葉で書いているからです。答練の採点は基本的にはキーワード採点なので、キーワードを暗記して答案に盛り込まないと点数が伸びません。

ただ、私は答練では常に暗記はせずに自分の言葉で書くように心掛けていました。点数は気にしない代わりに答練後模範解答を確認し、自分の理解とあっていたかを常に確認していました。

自分の言葉で答案を書くという一見当たり前のことですが、それができていない受験生は多いと思います。その原因は予備校で暗記を重視した指導を行っていることが原因です。暗記していればある程度の答案は書けますが理解して書いた答案との差は一目瞭然です。徹底的な理解は監査法人での業務でも非常に役立ちますので、会計士人生の中で大きな財産となると思います。

 

最後に③の簿記の仕訳と関連付けて理解することです。財務諸表論は誤解を恐れずに言えば簿記の理論科目です。管理会計でもそうですが、計算問題を解くときに理論的背景に結び付けて学習することで記憶の定着率が格段に上がります。

私は管理会計の計算問題に自信があったので、自然と管理会計の理論も好きになりました。それと同様に簿記に対する自信が高まれば自然と財務諸表論が好きになると思います。もしかしたら財務諸表論を得意になるための一番の秘訣は簿記に対する自信を高めることかもしれません。

上記の3点を意識すれば論文式試験本番での成果に直結した学習ができると思います。