移転価格コンサルタントとして働く公認会計士の日常

公認会計士、税理士。現在Big4系税理士法人でマネージャーとして勤務。

監査法人と税理士法人で勤務して分かったメリット・デメリット①

監査法人のメリット

 

現在監査法人で勤務されている方には税理士法人勤務のイメージがつかない方が大半だと思います。会計が好きで監査法人でパートナーに上り詰めるぞ!!という強い意志がある方以外の参考になればいいと思い本記事を書きたいと思います。

まずは監査法人のほうが税理士法人よりもいいと思う点について記載します。

・会計監査は企業にとって義務であり、税務コンサルは悪く言えば外注業者のような存在である。

例えば、監査法人の新人スタッフが経験不足で失敗したとしてもクライアント担当者は勉強中だからしょうがないなと大目に見てくれることが多いと思います。もちろん何回も同じミスを繰り返せばクレームが来ますが、企業にとって会計監査が義務である以上ある程度親切に接していただけます。

その半面、税理士法人の提供しているサービスは基本的にはコンサルティング業務なので、企業がお客さんであるという面が非常に強くなります。また、サービスのクオリティーに対する要求水準も非常に高いです。ですので、クライアントでのプレゼンをスタッフに任せることはほとんどなく、パートナー、マネージャーが行うケースが多いと思います。

つまり、極端に言うと監査法人とクライアントはある程度台頭で、税理士法人はお客さんであるクライアントより立場が弱いという点において大きな違いがあります。

また、私が勤務しているBig4系税理士法人だと、クライアントも巨大なグローバル日系企業や、有名な外資系企業がほとんどです。つまり、担当者にも頭が切れる方が多く、その方を満足させられるようなサービスを提供しなければ長期間にわたる良好な関係を構築することは困難です。

この点が、監査法人の一番大きなメリットだと思います。

 

・上司、同僚のレベルが税理士法人と比較すると低い

監査法人で勤務しているのは大部分が会計士です。ですので、ある程度の地頭と会計に関する知識は持っています。監査をするうえでは(少なくともシニアスタッフまでは)、営業力も必要ありませんし、英語力も必要ありません。

税理士法人には監査法人よりも高学歴な方がたくさんいます。会計知識に関しては監査法人の会計士のほうが高いですが、地頭、英語力(外国人が沢山いますし、それ以外もバイリンガルばかりです)、プレゼン力などは明らかに税理士法人のほうが高いです。

その中での競争があるので、監査法人よりも税理士法人のほうが昇進は難しいと思います。

・長期休暇が取りやすい

監査法人のほうが年間のスケジュールが決まっているので、長期休暇が取りやすいと思います。最近は異常なレベルで人手不足なので、難しいと思いますが税理士法人よりはスケジュール調整が容易です。

税理士法人では複数のプロジェクトを同時に担当し、クライアントからの連絡にも即座に対応する必要があります。また、監査法人のような明確な繁忙期がないので長期休みは取りにくいです。(もちろん夏休みは1週間くらい取れますよ)

 

以上が監査法人のメリットです。